太陽熱温水器を自作する

太陽光発電よりずっと効率的(?)な太陽熱温水器を考えてみました。自作というほどではありませんが、非常に安価にそして簡単に作ることが可能です。

 
 

Home  About this site  BBS  Mail  Link

 
 

太陽熱温水器を自作する

 

 

Last update 2012/07/04 13:20

震災の影響や原発の停止の影響で、ますます節電に注目が集まっている昨今、火力発電に変わる電力として太陽光発電(ソーラーパネル)が売れているようですが、よーく考えると太陽光発電ってそれほど効率がいいようには思えないんですよね。
と思って調べてみると、だいたい変換効率は12~17%ぐらい。
それに対して太陽熱で直接水を温める太陽熱温水器は、40~60%ぐらいになるそうです。
よく考えてみれば太陽光発電でお湯を沸かす場合、

パネル → 変換器 → バッテリー → ヒーター

というように発電した電気が色々変化してヒーターに届くわけで、途中でロスが多いんじゃないかと。でもってソーラーパネル自体の発電効率が低いとなれば、ちょくでお湯を沸かしたほうが断然効率がいいんじゃないかなぁ。と、太陽熱温水器を注目するようになりました。
調べてみると夏は60度。冬でも30度ぐらいになるそうです。
ただ、意外と太陽熱温水器は価格が高く、重量もそれなりの重さになるためせっかく太陽熱で節約しても、トータル的なコストを考えるとマイナスの可能性のほうが高い。
というわけで自作してみようと思い立ちました。

太陽熱温水器

黒は光を吸収する

白に比べ黒は光を吸収し反射しません。太陽のエネルギーを吸収するわけで、黒い入れ物に入れた水は、白や透明の入れ物に入れた水よりもはやく、そして温度が高くなります。
これを利用して簡易太陽熱温水器を作ってみようと思います。
と入っても、パイプを用意して栓をひねるとお湯が出てくる・・・というような本格的なシロモノではなく、単純に黒い容器に水を入れ、気温が最も高くなる真夏の14~15時にお風呂の浴槽に注いでやるという至極単純なシステムです。

黒いポリタンク

黒のポリタンクを利用した自作太陽熱温水器水を大量に入れることができ、なおかつ運びやすいもの・・・ポリタンクなんかどうでしょう。
でも、灯油を入れるポリタンクは赤色だし、水を入れるポリタンクは白色だし・・・。
黒いポリタンクなんてあるのかな?と思ったらありました。

廃液回収缶20L ブラック

灯油用のポリタンクにペンキやスプレーで黒く塗ってもいいんですけれど、すぐに剥がれてきちゃうのと、かなりペンキが必要になるのでもともと黒いポリタンクを使うのがベストです。
ただし、実際にベランダにおいてみるといくら黒とはいえ、太陽の角度に合わせて写真のように傾けないと、あまり効果がないことがわかりました。
黒の平面が、太陽光に対して垂直にすると一気に熱くなるのですが、普通にポリタンクをベランダに対して垂直に立てただけだと、てっぺんが熱くなるだけで中の水はほとんど暖かくならないようです。

気温30度時、あっという間に40度へ気温30度。
ベランダの表面温度40度の日にベランダに設置してみました。
するとあっという間に40度に。
でも60度には程遠いなぁ・・・。真夏の40度までで上がるような日差しであれば50度も夢じゃないかもしれません。

逆に言うと、30度以上に気温が上がるような強い日差しの日でないと効果があまりないかもしれません。
ただ、その場合は閉めきった車の中に入れておくと高温になります。
車内は3月の気温が20度程度でも、40度まで温度が上がるのです。

何リットル必要か

30度の水100リットルと、100度のお湯20リットルを混ぜると、どれくらいの温度になるのでしょう?計算式は以下のようになります。

30度 x 100リットル = 3,000kcal
100度 x 20リットル = 2,000kcal
3,000kcal + 2,000kcal = 5,000kcal

5,000kcal ÷ 120リットル = 41.67度

このようにある温度のお湯とある温度のお湯を混ぜあわせたあとの温度は、計算で求めることができます。

お風呂に入った時に、「あぁ、ちょうどいいお湯だな」と感じたときに温度計でお湯の温度を測ってみたら40度ありました。
何度か測ってみましたが、39~41度ぐらいが暑くもなく冷たくもなく、ちょうどいい温度と感じる温度だということがわかりました。

浴槽に入っているお湯の量ですが、だいたい一般家庭の浴槽で200~300リットルだそうです。
夏場は多少水温が低くてもちょうどいいと感じるでしょうから、だいたい200リットル程度で39度以上にするには、どれくらいの20リットルのポリタンクが必要なんでしょう?
色々なパターンで計算してみました。

室温26度の時まず、水の温度は部屋(お風呂場)の温度と非常に密接していて、ほぼ室温と同じ温度になるということがわかりました。
例えば私の部屋が26度の時は・・・

水の温度も26度部屋においてある霧吹きの水の温度を測ってみると26度でした。
6月半ばの涼しい時期でこの温度ということは、夏場気温が30度を超えるような日は、浴槽の中の水もわかさなくても30度を超えていることが予想できます。

表でまとめてみた

ポリタンクは1つが20リットルの水を入れることができます。これを3つほど用意して、60リットルの水をお湯に沸かすと仮定します。
以下は、ポリタンク内の温度が50度、55度、60度の場合、浴槽の水の量と温度によって混ぜ合わせると何度ぐらいになるかを表にしたものです。

ポリタンク
内の水の温度
ポリタンクの
体積
浴槽内の水温 浴槽内の水の量 足した温度
50度 60リットル 25度 140リットル 32.5度
55度 34.0度
60度 35.5度
50度 60リットル 30度 140リットル 36.0度
55度 37.5度
60度 39.0度
50度 60リットル 25度 120リットル 33.3度
55度 35.0度
60度 36.7度
50度 80リットル 25度 140リットル 34.1度
55度 35.9度
60度 37.7度
50度 60リットル 28度 60リットル 39.0度
55度 60リットル 30度 107リットル 39.0度
50度 60リットル 33度 140リットル 38.1度
55度 60リットル 33度 140リットル 39.6度

ポリタンクを3つ用意し、60リットルの水を暖めるとすると200リットルにするには140リットルほどの水を浴槽に入れておく必要があります。
ところがこの場合、ポリタンク内のお湯が60度で、浴槽の中の水が30度でないと39度にならないことがわかりました。
夏場、黒色のポリタンクがどれくらいの温度まで上昇するのかわかりませんが、50度ぐらいまでしか上がらない場合を仮定すると、ポリタンク3個分のお湯で浴槽内の水と混ぜ合わせた温度が39度になるには、浴槽の水を60リットルまで減らさないといけないようです。

ただ、真夏はお風呂場も30度以上になるでしょうから、仮に浴槽内の水の温度が33度だとすると、ポリタンクで暖めたお湯が50度でも38度ぐらいにはなりそうです。
もうちょっとゆるく計算すると、ポリタンク内で55度まで上がるとすると、浴槽内の水の温度が33度だと39.6度までできそうです。

現実的な計算としては、ポリタンク3個(60リットル)で真夏に水の温度が50度まで上昇。
浴槽に貯めてある水が33度で140リットル。
この時にポリタンクのお湯を浴槽に移すと、38.1度。
という線でしょうか。

どうやって保温しておく?

さあ、なんとなくこんな単純な自家製太陽熱温水器でも実用的になって来ましたね。
いちいち湧いたお湯を外からお風呂場まで運ばなくてはなりませんが、男性なら片手にポリタンク1つずつ持てば、2往復で済むでしょう。
うまいことに私の場合は、夜勤なので午後2時や3時頃は自宅でくつろいでいる時間です。
時間的な問題や手間は、私の場合クリアできそうです。
ただ、雨や曇りのような日は期待した温度に上がらないでしょうから、晴れの時だけ。という限定した使い方でOKだと思います。
私の場合は、浴槽に入れた時点で入浴してしまっても構わないのですが、家族のことを考えると暖めたお湯をどう保温しておくか・・・が問題になってきます。

保温シートをかぶせてあるうちの浴槽には、保温用のシートを常にお湯の表面にかぶせているのですが、これ、保温には結構効果がありそうなんです。
夜、22時頃お風呂に入った時に温度計で測ったところ、お湯の温度は39度でした。

朝6時の段階で34度8時間後の朝の6時にお湯の温度を測ってみると・・・なんと34度。
たった5度しか下がっていない!
風呂場の温度はこの時24度。
このような室温でも8時間で5度しか下がりませんでした。

35度を超えるような真夏であれば、仮に14時にポリタンクから浴槽に湧いたお湯を入れても、8時間後の22時頃は3~4度程度の温度の低下で済みそうです。
先ほどの表から仮にポリタンクのお湯を混ぜた時の浴槽内の温度が39.6度だとすると、夜22時頃の浴槽内のお湯の温度は、4度低くなった35.6度。
夜22時の水の温度を30度とすると、39度にするには半分の燃料で済みそうです。

私の場合は夜勤なので、昼14時にお湯を浴そうに入れ、即そのままお風呂に入ってしまえば燃料費はゼロ。
60リットルの水道代だけで済んでしまいます。

シャワーと比べた場合

夏場は浴槽の水を沸かすよりも、少ない家族人数ならシャワーのほうがお得になります。
そこで今度はポリタンクでお湯を沸かした場合と、家族3人でシャワーを浴びた場合で、どちらがコストが安いか比較してみました。

上と同じように用意する黒のポリタンクは3つ(60リットル)。50度まで温度が上昇すると仮定します。
うちの地域の水道料金は、1リットルあたり約0.25円。
60リットルだと15円になります。

全国市町村水道料金単価一覧表のサイトさんのサイトによると、水温18度の状態で10分間シャワーを出しっぱなしにした時の水道代+ガス代は、都市ガスで約70円
10分間で使用する水の量は110リットルにもなります。
夏場の水の温度が28度として、ガス代が半分になると仮定すると、ガス代は約17.15円。
110リットルの水道代36円と合わせると、約53.15円かかることになります。

家族3人で一人あたり3分少々のシャワーを浴びたとすると、水道代とガス代を合わせた料金は、53円ほど。
ポリタンクを利用してお湯を沸かした場合、60リットルの水道代は15円で燃料代は0円とすると、約38円差がつくことになります。
梅雨明けが7月の半ばとし、暑さが和らぐのが9月の終わりとすると、だいたい60日ぐらいこのシステムでお湯を沸かしたとすると、約2,280円ほど燃料費を減らすことが出来る計算になります。

黒のポリタンクの料金が1つ当り2,000円前後なので、3年でポリタンクのコストは元が取れることになりますね。
たったこれっぽっちしか節約できないのか~。なんて思うかもしれませんが、家庭で消費されるエネルギーの3割は、給湯器で消費されるそうです。
暖房やクーラー、その他冷暖房で消費されるエネルギーが2.5割程度と言われているのでエアコンの設定温度を変えるより、節約できるかもしれません。

実際には夏場だけでなく、冬場も30度ぐらいに上がるそうなので、1年間を通じて黒のポリタンクでお湯を沸かせば、かなりの燃料代を節約できると思います。
実際に震災が起きた2011年3月、計画停電でお風呂がわかせなくなったので、ペットボトルでお湯を沸かした時の動画を紹介しておきます。

この時は3月の外気温が20度という寒さでしたが、40度のお湯を沸かすことができました。
手動シャワーも用意しておけば、仮にお風呂がわかせなくなっても充分シャワー替わりになるでしょう。

5リットル程度の小型ポリタンクも売られているようなので、台所のお湯を沸かすときにポリタンクである程度沸いたお湯を使えば、ガス代も節約できるでしょう。
太陽光発電機で同じ量の水を沸かす場合に比べて、少ないエネルギーで沸かすことが出来ると思います。

また、太陽光発電よりやすいといっても、太陽熱温水器はだいたい10万円程度するようです。
10万円かけて節約できた燃料費でペイできるまでどれくらいかかるか・・・を考えると、今回紹介したポリタンクを利用した温水器(?)は、いちいちお風呂場まで運ばなくてはならない手間はあるものの、運動不足解消だと思えばコスト的にも健康的にも、エコロジー的にも優れたシステムかもしれません。

まとめ

火力・原子力に代わるエネルギーというと、太陽光発電や風力発電、地下熱エネルギー発電というような非効率的な発電システムに目を奪われがちですが、太陽の光エネルギーを直接熱エネルギーに変える太陽熱温水器は、最も効率がいいエネルギー変換システムかもしれません。
すでに3個の黒のポリタンク(60リットル)を注文したので、届いたら結果を載せたいと思います。

 

 

カテゴリー

同じカテゴリーの記事