パソコンはつけっぱなしにしたほうが電気代が安くなるのはうそ?計測してみた

パソコンやエアコンは、つけっぱなしのほうが電気代が安くなる。と言われていますが、本当でしょうか?実際に消費電力を計測してみました。

パソコンはつけっぱなしにしたほうが電気代が安くなるのはうそ?計測してみた

 

Last update 2016-08-19 19:51

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パソコンやエアコンはつけっぱなしのほうが電気代が安くなる。というような都市伝説を聞いたことがあると思います。うそかほんとか、実際に計測してみました。

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つけっぱなしのほうが電気が安くなる理論

パソコンをつけっぱなしのほうが電気代が安くなる。という都市伝説が生まれた理由は、パソコンは(エアコンもそうですが)、起動時と終了時に大量の電力を消費するので、2時間以内(30分という都市伝説もある)、席を外すなら、つけっぱなしの方が電気代が安くなる。という、理屈が原因です。この根拠の無い都市伝説は、もう10年以上も前からありましたし、私も当時は信じていました。(笑)
ところが、よく考えて見ればわかるのですが、2時間であろうが、30分であろうが、その時間に消費する電力が起動時の一瞬で生じると仮定すると、私の部屋の貧弱なブレーカーは、一発で吹っ飛びます。
が、冬、パソコンを起動した時にブレーカーが落ちたことは15年の間に1度もありません。
コーヒーメーカーやニクロム線ヒーターをつけた時に落ちたことは何度もありますが。

さて、実際にパソコン起動時にどれくらいの電力を消費しているのか、計測してみました。

消費電力を測るには

消費電力を測定するために使ったワットチェッカーは、サンワサプライ ワットモニター5種類測定可能 検電器 TAP-TST8です。
ちょっと高い(4000円強)なのですが、ワットチェッカーの中には1ワット未満の電力を測定できないタイプもあるので、この製品を使用しました。

パソコン起動時の消費電力は?

タイプ ディスクトップ
CPU Core i7-4790 3.60GHz
内蔵ディスク 500GB SSD
OS Windows 10 pro
搭載メモリ 16GB

さて、まずは私が普段使っているデスクトップパソコンの消費電力を計測します。
ある程度詳しい人ならわかるかもしれませんが、かなりハイスペックなモンスターマシンです。なので、普通の人のパソコンより、消費電力はもともと高い。と、思ってもらって結構です。
また、以下の検証は、パソコン本体のみの消費電力で、モニターの消費電力は含めていません。

パソコンの待機電力

パソコンの待機電力まず、パソコンは電源がはいっていなくても、微妙に電力を消費しています。USB機器を接続しているかどうかでも変わってきますが、だいたい3~5Wほど消費しています。これはスリープ状態とほぼ同じ消費電力で、見逃せない数値です。
3~5Wとというと、40Wクラスの明るさのLED電球をつけっぱなしにしたレベルなんです。

起動直後からの推移

起動直後は68.3ワットパソコンのスイッチを入れると、一気に68.3Wまで上昇。

87.5ワットしばらく80W台でウロウロしだし・・・

最高105ワットまで上昇結局、一瞬だけ100Wを超えました。
時間にして数秒ってとこです。

その後は90ワット前後その後は90W前後をウロウロし出しました。
パソコン起動時は、デバイスドライバやバックグラウンドで動くサービスを読みこんだりするので、どうしても安定するまでは多少電力を消費します。が、2時間つけっぱなしの消費電力が発生する。ということはありませんでした。

しばらくすると60ワットぐらいになる1分30秒を過ぎたころには、60Wあたりまで下がりました。

なにもソフトを立ち上げてない状態だと

ソフトを立ち上げてない状態ソフトをなにも立ち上げていない状態だと、だいたい40Wちょっとぐらい。

パソコン使用中の消費電力

YouTubeの視聴

YouTube視聴中YouTube視聴中(1080pで再生)は、だいたい80W台。
最近のパソコンやブラウザは、YouTubeや動画を再生するための動画再生支援機能が搭載されているので、動画を再生させてもそれほど負荷はかかりません。

ブラウザゲームプレー中

ブラウザゲームプレー中今度は意外と負荷が高い、Flashで作成されたブラウザゲームをプレーしてみました。
参考:ピグやライフや艦これのFlashが重い

すると、だいたい90W前後。

動画編集

手ぶれ補正やモザイクを加えた今度は動画に手ぶれ補正、モザイク、と、フィルターを掛けてエンコードしてみました。

モザイクと手ぶれ補正だけの場合Core i7レベルになると、手ぶれ補正やモザイク程度では、CPU使用率がそれほど上がらず、90~100W台でした。

文字のアニメーションが最も負荷がかかるところがアニメーションする文字を入れてみると、エンコード時のCPU使用率が跳ね上がりました。

エンコード中のCPUCPU使用率は、54%。全体で73%ほどまで上昇しました。
ただ、Core i7の16GBのメモリを搭載していると、ファンの音はうるさくなるものの、他の作業にししょうがないレベル。

141ワットまで上昇消費電力も一気に140Wを超えました。

ウィルススキャン中

ウィルス対策ソフトによるスキャン続いて軽い。と言われているカスペルスキーというセキュリティソフトを使って、パソコン内をスキャンしてみると・・・

116ワットまで上昇やはり消費電力はぐっと上がって、116Wになりました。

サイト閲覧中

ブラウザでインターネットサーフィン中普通にサイトを見るだけの場合は・・・

66.2ワットぐらいだいたい60W程度。
このように、CPUパワーをそれほど消費しない状態では、消費電力も抑えられています。
つまり、CPU使用率と消費電力には、密接な関係があります。

ディスプレイの消費電力は?

モニターの消費電力実は、意外に見落としがちですが、ディスプレイはかなり電力を食います。
私は2台のディスプレイを使っていて、左が19インチの1280x1024ピクセルのモニター。
右が23インチのフルハイビジョンのモニターで、3D対応です。

19インチのモニターの場合19インチの方の消費電力は、だいたい20ワットぐらい。

23インチの場合ところが23インチの方は、40W強。
二つ合わせて60Wほどにもなります。
つまり、パソコンの消費電力にプラスしてこの60Wが加わるため、なにもソフトをなにもソフトをなにも立ち上げていない状態でも、PC 45W + ディスプレイ 60W と、105Wぐらいの電力がかかるわけです。
105Wというと、冬の冷蔵庫がこのぐらい消費します。

つけたり消したりするとパソコンの寿命が短くなる?

似たような都市伝説で、パソコンをつけたり消したりすると、壊れやすいからつけたままの方がいい。という都市伝説。
私は1998年ぐらいからパソコンを使っていますが(正確には1993年から使っていますが、当時はネットもなかったし、今とちがう使い方をしていた)、パソコンをつけたり消したりすることで壊れた。ということは、ほぼ無いです。
私の場合、自営でパソコンを使って仕事をしているので、1日に12時間ほどパソコンを使っています。
1日の間に、5~6回ほど、30分以上席を外すので、その間休止状態にしているのですが、これが原因で壊れた。というような経験は、0回。

私が初めて購入したパソコンは、すでに自作パソコン(自分で組み立てた)でしたし、自宅サーバーも立ち上げて、5年間、立ち上げっぱなしにしたり、かなり普通の人よりもハードにパソコンを使ってきましたが、その間、壊れたのは電源ユニットが1回、マザーボードが1回。あとは、ソフト的な問題でHDDが10数回壊れた程度(WindowsXP時代は、ファイルが壊れてしょっちゅう起動しなくなった)。
その代わり、2年に1回、CPUとマザーボードなどをフルバージョンアップし、HDDやSSDは、1年に1回、より性能が高いものに交換しています。
車も、「乗らないと壊れる」「乗ると壊れる」という都市伝説がありますが、パソコンに関しても壊れる、壊れないか、は、電源を頻繁に切るかどうか、は関係ないと思います。

結論

結論として、

・パソコンの場合少しの間でも、席を外すならパソコンの電源を切る、もしくはスリープ、休止状態にした方がいい
・パソコン起動時は、せいぜいYouTubeの再生と同じぐらいの電力しか上がらない
・CPU使用率が上がると、消費電力も上がる
・意外とモニターの消費電力が高い

ということになると思います。

よく、1時間以内なら、2時間以内なら、30分以内なら、つけっぱなしのほうが電気代が安くなる。という都市伝説を聞いたことがあると思いますが、仮に、PC本体の消費電力を40Wとし、モニターの消費電力を(1台として)40W。最低80Wが常時消費されると仮定すると、1時間の電気代は、1.92円
夕食・入浴じと、寝るときに1時間ずつ放置したとして、毎日2時間放置した場合、3.84円/日
1ヶ月で、117.12円
1年で1405.44円も無駄に電気を消費する計算になります。
じつは意外と多くのパソコン使用者が、パソコンの電源を切ったことがない。という、とんでもない調査結果があるようです。
実際に私の友達で、パソコンを持っている人も、「え?電源切ったことないけど」という人が殆どでびっくりしました。
つまり日本全国には、そんな使い方で無駄に電気が失われているんですよね・・・。
多分、正しい節電をすれば、原発なんて必要なくなると思うんですけれど、一般市民の感覚がこれだと、原発をなくすのは難しいかもしれませんね・・・。

さて、実はデスクトップパソコンでは、上記のような結果になりましたが、ノートパソコンだとまたちがう結果になります。
また、デスクトップパソコンで消費電力を抑える方法も紹介したいと思います。

ノートパソコンの消費電力

今まではデスクトップパソコンの消費電力を計測してきましたが、同じような性能のノートパソコンの場合はどうでしょう?

タイプ ノートパソコン
CPU Core i7 4510U 2GHz
内蔵ディスク 256GB SSD
OS Windows 10 Home
搭載メモリ 8GB

東芝のDynaBook T85/NBですが、内蔵メモリやSSDをパワーアップしています。
ただ、先ほどのデスクトップパソコンの場合は、モニターの消費電力は抜かしていましたが、ノートパソコンは一体型なので、モニターも含めた消費電力になります。

起動時の消費電力

起動時の消費電力ノートパソコンの起動時の消費電力は、最大で39.2Wでした。
だいたい35~38Wをうろうろする感じが続き、そのうち15Wぐらいで安定します。
ノートパソコンの場合、モニターも含めた消費電力ですら、デスクトップパソコンの消費電力の3分の1から、4分の1ぐらいの消費電力です。

エコモード

日本のメーカーのノートパソコンには、各社が用意したエコモードという機能を搭載しています。
実はこのエコモード、かなり消費電力を抑えてくれる機能でして・・・
先ほど、CPU使用率と消費電力は密接な関係があると書きましたが、エコモードをオンにするとCPU使用率を強制的に抑えてくれるのです。

東芝DynaBookのエコモード例えばエコモードオフの状態で、Windows updateを実行すると・・・消費電力は、23W(モニターも含めるとだいたい28Wぐらい)です。

Windows アップデートCPU使用率も34%です。

エコモードをオンにするとエコモードをオンにすると、消費電力も11Wにグンと下がりました。

CPU使用率が激減した調べてみると、エコモードになるとCPU使用率が13%に落ちました。
ただでさえ、消費電力が少ないノートパソコンですが、エコモードにすることによってさらに消費電力を減らすことが出来るようです。
ネットサーフィンやブログ更新など、あまりCPUを使わない作業を行うときは、このようにエコモードにしておくと、電気代を押さえることが出来そうです。

デスクトップパソコンでもエコモードにしたい

実はこのエコモード、ノートパソコン特有の機能ではなく、デスクトップパソコンでも同じことが出来ます。

コントロールパネルのシステムとセキュリティまずはコントロールパネル(スタートボタンを右クリックし、「コントロールパネル」をクリック)を開きます。

「システムとセキュリティ」をクリックします。

電源オプション「電源オプション」をクリックします。

プラン設定の変更画像のようにチェックボックスにチェックが付いているプランの「プラン設定の変更」をクリックします。

詳細な電源の変更左側に表示された「詳細な電源設定の変更」をクリックします。

プロセッサの電源管理リストの中から①「プロセッサの電源管理」を探し、+ の部分をクリックして展開します。
②「最大のプロセッサの状態」の + をクリックして展開します。
③「設定」のぶぶんが100になっているので、1~100の間の数字を入力します。
ここで入力した値が小さいほど、CPUの働きが抑えられます。

100%の場合例えば「最大のプロセッサの状態」が100%の状態で、消費電力が92.3Wですが・・・

10%の場合10%に変更すると、56.5Wまで消費電力が下がりました。
ただ、10%まで落としてしまうと、PCの操作にだいぶ支障が出てきます。

50%の場合そこで今度は、50%に設定してみました。
63.6Wになりましたが、100%時の92.3Wに比べればだいぶ抑えられています。

インターネットの閲覧、エクセルでの作業、ブログの更新、YouTubeの視聴程度であれば、「最大のプロセッサの状態」を50~80%で全く問題のないレベルでした(Core i7の場合)。
私のように動画編集や画像編集をするので、ハイスペックなPCを使っている人も多いと思いますが、あまりCPUパワーが必要ないような作業をしているときは、このように、設定で消費電力を落としておくほうがいいかもしれません。

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最終更新日 2016-08-19 19:51

 

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投稿日:2016-04-15 | このページのトップへ | コメントを書く | 管理