エアコンの電気代を調べてみた

エアコンの消費電力と電気代を調べてみました。エアコンはヒートポンプと呼ばれる気化熱を利用した、もっともエコで高効率な冷房・暖房機器です。

エアコンの電気代を調べてみた

 

Last update 2016-08-19 19:50

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家庭の中で最も電力を消費してそうな電気機器の1つとして、エアコンを思い浮かべる人も多いでしょう。大きな筐体に、最新の電子機器などが詰まっていて、とても電気をたくさん使用するイメージがあります。が、実は、最も効率的でエコロジーなんです。

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夏になると、冷房の電力量の上昇が騒がれるようになりますが、実際には1年を通して冷房によって消費される電気代は、一般家庭の場合、たった2%程度らしいです。
ただ、暖房と違い、ガスや灯油による冷却システムがなく、ほぼ電力による冷却になるため、一気に使用電力量が増えてしまっているだけであって、実際には冷房を控えてもさほど省エネにはならないんです。
まあ、もちろんエアコンよりも扇風機のほうが消費電力が小さいので、扇風機で済むような気温の場合は、扇風機を優先して使ったほうが電気代は安くなります。

さて、今回は、電気代チェッカーを使用して、エアコンの待機電力、冷房時の電気代、暖房時の電気代を調べてみました。

富士通ゼネラル AS-V22A-W使用したのは富士通ゼネラルの6畳用のルームエアコン
4万円台で購入できる人気の商品です。

室温22.5度。外気温19度部屋の気温は22.5度。
屋外の気温は約19度でした。

エアコンの待機電力は?

エアコンの待機電力は0.8Wまず、エアコンのスイッチをオフにした状態、つまり、待機電力はどのくらいか計測してみました。
すると、何もしていなくても0.8Wの電力が流れていました。

仮に1時間あたりの1000Wの電気代を23円とすると、0.8Wの1時間あたりの電気代は、0.0184円/時 。
1日に換算すると、0.4416円/日。
1ヶ月のエアコンの待機電力は、約13.47円/月になります。
たった13円ほどか~。と思うかもしれませんが、エアコンやパソコン、テレビ、DVDプレーヤーなど複雑な電子機器は、たいてい電源をオフにしていても待機電力がこのぐらいかかるので、実際には数百円規模で毎月待機電力として、電気代が無駄に消費されている可能性があります。
そのため、エアコンがほとんど必要がない秋や春は、コンセントからコードを抜いておくほうがいいでしょう。

冷房時の電気代

スイッチを入れた直後18.3Wに上昇今度は冷房をオンにした時の消費電力と電気代を計算してみました。
スイッチを入れると、まずは18.3W程度に上昇。
1~2分ほどこの状態が続きました。

送風が始まり133Wになったルーバーが開き、送風が始まりました。
この時133Wでした。やはり1分ほどこの状態が続き・・・

冷房が動作し始め220Wで落ち着いた本格的に冷房が動作し始めると、220Wまで上昇しました。
最近のエアコンは、インバーターエアコンなんですけれど、インバーターエアコンとは、室温に合わせて消費電力を自由に変える事ができるエアコンになります。
照明設備で言うと、明るさを自由に調節できる照明みたいなものです。
20年ぐらい昔のエアコンは、インバーターではないので、オンかオフしか出来ません。
そのため、昔のエアコンは設定温度になると冷房機能がオフになり、送風だけになります。
インバーターは、設定温度に近くなると消費電力自体を自動的に少なくして、より効率的に消費電力を少なくしてくれるんです。

さらに、年々、熱の変換効率が良くなっていっているので、10年前のエアコンに比べ、最新版のエアコンのほうがずっと電気代がかからなくなっています。

設定温度になったら5.3Wになった設定温度に達すると、冷房自体がオフになり、送風のみになります。
この時の消費電力は、5.3Wでした。
インバーターエアコンは、室温に合わせてめまぐるしく消費電力が変化するので、1時間あたりの電気代を計算するのは難しいのですが、設定温度に達しないと220Wぐらいの電気代がかかるので、1時間あたりの電気代は、約5円ほどになり、設定温度に達した場合は、5Wまで電力が下がるので、この場合、0.115円になります。
インバーターは、設定温度になるまでは全力で電気を消費し、設定温度に近づくと、電力をセーブするため、場合によっては1日じゅうつけっぱなしのほうがトータル的な電気代が安くなる可能性もあります。

ドライの電気代は?

実は、クーラー(冷房)も、ドライも実際は変わりありません。
冷房の場合は、設定温度が来たら送風になり、ドライの場合は設定温度が来ると送風が止まる、というちがいしかありません。
夏になると、冷たい水を入れたコップの周りに水滴がつきますが、これは空気中に含まれる水蒸気が冷たいコップの表面で冷やされ、気体の状態で維持できなくなってコップに水滴となってひっつくわけです。
エアコンのクーラーも、中で冷たく冷やされた部分に空気中の水蒸気が、水としてくっつき、室外に捨てられるため、室内の空気中の湿度が下がります。
なので、基本的にはクーラーもドライも、冷やして水蒸気を減らしていく仕組みは変わらないんです。
ただ、最近の高級なエアコンは、室外機から放出される熱を室内に取り入れ、室温を冷やさずに湿度だけ下げる製品も多くなっているようです。

ドライにしたら336Wになったで、今度はドライに切り替えたところ、336Wまで上昇しました。
クーラーの時に比べ、湿度を下げるために強制的に冷房機能を強化しているのかもしれません。
ただ、ドライの場合も設定温度になると、5Wぐらいまで下がりました。
一概には言えませんが、若干ドライのほうが設定温度ギリギリまで冷房機能をフル稼働で動作させる可能性があり、電気代はかかるかもしれません。

暖房の場合の電気代

暖房をつけた直後は5.3Wだった冷房やドライの時と同じで、暖房をオンにした直後は、5.3W程度。
この状態が1~2分続き・・・

379Wで落ち着いた送風が始まり、暖房が本格的に開始されると、379Wまで消費電力が上昇しました。
室温はこの時22度ほどで、設定温度を26度としました。
設定温度を下げていき、20度に設定すると、暖房機能がオフになり、送風のみで消費電力は5Wほどにまで落ちました。
暖房の方が若干、冷房よりも消費電力は高いかもしれません。

暖房と冷房の違い

エアコンの暖房は、室外機と室内機を冷房の時と逆にしただけ。
つまり、冷房の時、室外機から放出されていた熱が室内機から室内に放出されているわけですね。
なので、仕組みはほとんど一緒。
ただ、夏のエアコンは、外気温35度に対して28度の設定温度とした場合、温度差は7度。
つまりたった7度ほど、外気温より下げればいいだけです。
ところが冬の場合、関東でも外気温は0度にまで下がります。
設定温度を20度とすると、その差は20度。冷房時に比べ、約3倍ほど設定温度と外気温の差があるわけです。
そのため、電気代は実際には冷房より暖房の方が単純計算で3倍ほどかかることになります。
ただ、実際には自体から放出される熱や、パソコンやテレビ、冷蔵庫などから放出される熱も加わるため、暖房と冷房との差がそれほど開くわけではありませんが。
特に外気温が最も下がる夜中は、一般的にはエアコンをオフにしてしまっている場合が多く、冬でも昼間は5度や10度ぐらいまで気温が上がるため、冷房と暖房でそれほど差があるわけではないと思います。

が、冷房が必要な時期は、一般的に梅雨があけた7月の後半から9月の半ばの約2ヶ月。
それに対して、暖房が必要な時期というのは、11月の半ばから3月の半ばの約4ヶ月間と、冷房に比べ、約倍の期間使用し続けるわけです。
そのため、トータル的な電気代は、圧倒的に暖房の方がかかることになります。

エアコンと他の暖房機器との比較

エアコンの暖房は、灯油のストーブや都市ガス、プロパンガスなどと比較しても、実はすごく省エネなんだそうです。
いろいろな条件があるので、正確に比較できるわけではありませんが、同じ部屋の温度にするためには、エアコンの暖房の方が、灯油よりも若干安く温めることができるそうです。

逆にオイルヒーターは最もお金がかかります。
よく、オイルヒーターにしたら、電気代が2倍になった。なんて話を聞きますが、オイルヒーターは、1500Wぐらいの消費電力になり、インバーターのような仕組みもないため、設定温度になるまで常に1500Wが消費されます。
そのため、エアコンの暖房に比べ、5倍以上の電気代がかかることになります。

ハロゲンヒーター一時期はやったハロゲンヒーター。
実は、このハロゲンヒーターも電気を大量に消費します。

489Wスイッチを入れると489Wでした。
ハロゲンヒーターは、室温を温めるというより、オレンジ色の光があたった部分を温める、という使い方なので、設定温度自体がありません。
つまり、常に489Wが消費されます。
ハロゲンヒーターに近い場所にいれば、すごく温かいのですが、室温自体を上げてくれるわけではないので(赤外線があたった物質が若干室温を上昇させますが)、リビングやキッチンなどで使用すると、非効率的な暖房機器になってしまいます。
ハロゲンヒーターを使うくらいなら、エアコンを使ったほうが3倍ほど電気代を安くする可能性があります。

仮に500Wのハロゲンヒーターを1日5時間、つけ続けた場合、1日の電気代は、57.5円。
4ヶ月間、毎日5時間使用した場合、7015円もの電気代がかかってしまいます。
そのため、エアコンが取り付けることができないような場合でない限り、ハロゲンヒーターからエアコンの暖房にするだけで、数年でエアコンの購入+取り付け代金を回収できる可能性があります。

大尉電力は0Wただ、エアコンと違い、凄くシンプルな作りなので、待機電力は0Wになります。

まとめ

エアコンはヒートポンプと呼ばれる、気化熱を利用した効率的な仕組みで、温めたり冷やしたりします。
ヒートポンプは冷蔵庫や、高級ドラム式の洗濯機にも使われていて、システム自体の価格は高いのですが、ランニングコストは安くなります。
最近では、安い深夜料金を利用して温水を作る、電気温水器もヒートポンプを利用して、更にランニングコストを安くするような、エコキュートが注目を集めています。
深夜電力とエコキュートを利用すれば、使い方次第でガスや灯油による給湯システムよりもずっとランニングコストを安く出来る可能性があります。

ただ、一番いいのはいかに暖房・冷房を使わないこと・・・なんですけれどね。(笑)

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最終更新日 2016-08-19 19:50

 

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投稿日:2013-05-28 | このページのトップへ | コメントを書く | 管理