ゴキブリを凍らせて退治する 瞬間凍殺
最終更新日 2020-08-15 20:16
ゴキブリやムカデなどを凍らせて退治するスプレー式の殺虫剤をいくつか購入し、実際に効果があるのか、どれだけ温度が下がるのか比較してみました。
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目次
凍る仕組み
スプレーすると瞬時にマイナスの温度になるのは、気化熱を利用しているため。エアコンや冷蔵庫も、この気化熱を利用して冷やしています。
一般に液体から気体へ変化するときに、周りの熱を奪って冷えます。
水は100度にならないと気化しないので、それほど冷たく感じませんが、注射をするときにアルコールで消毒すると、ヒヤッと感じたことがあると思いますが、あれと同じ原理。
アルコールよりも気化する温度が低い液体を使えば、より冷たく冷えます。
どのスプレーが最も温度が下がる!?
さて、害虫駆除や薬の世界では、他社が開発した製品をまるまるパクる(蚊取り線香とか正露丸とか)風習があるらしく、この凍らせてゴキブリを駆除するスプレーも類似品がたくさん発売されています。
そこで、それらのうちの5種類を実際に購入し、どれがどれだけ温度を下げるか比較してみました。
凍らせて害虫を駆除するスプレーは、普通の殺虫剤に比べ価格が高く、1本大体1000円ぐらいします。
なので、より少量で駆除するためには、瞬時に温度を最も下げる必要があると。
測定方法
気温は34.5度ほど。
この気温の中、マイナス30度まで測定できる温度計に約3秒間スプレーを噴射させ、どれくらい温度が下がるか測定してみます。
ゴキブリ凍止ジェット
まずは、フマキラーから発売されている、ゴキブリ凍止ジェット。
250ml入っていて、パッケージにはマイナス75度まで下がるような文字が書かれています。
価格は1,000円ほどですが、ネットで探すと800円台もあるようです。
250mlというと、今回紹介する中でも少ない部類。つまり、あまりコスト的には良くない製品ということになります。
なんとマイナス20度まで下がりました。
ガスが掛かった部分は白く粉状の物質が付きましたが、おそらく空気中の水分が凍ったんだと思います。
温度、風圧、ともに「並」といった感じ。
不快害虫エアゾール
他の製品がほとんどフマキラーから発売されている中、三菱化学園芸から発売されている製品。
やはり1,000円近い価格で販売中。
他のスプレーと違い、揮発性の高いガス以外に泡状の液体も噴出されるようで、凍結と泡による窒息死を狙った製品でしょうか。
温度は14度までしか下がりませんでした。
はたしてこの温度で効果があるのか・・・は、不明。まだ実際にゴキブリや害虫駆除には使ったことがありません。
泡の中央部は、空気中の水蒸気が凍ったのか、先ほどのように白い粉になっていました。
ムカデフマキラー
他の製品は主にゴキブリが対象ですが、ムカデフマキラーは、その名の通りムカデ専用。
やはりフマキラーから発売されています。
他の4つは1000円近い価格で販売されていますが、この製品は500~600円という激安(?)価格。
他の製品と違い、無色透明なまま。
ところが意外と温度は低く、6度まで下がりました。
インターネットのレビューをみてみると、ムカデにはこの温度でも抜群の効果があるようです。
ムカデはどういうわけか、普通の殺虫剤が効きにくいので、このように冷却して退治するほうが効果的らしい。
それからアシダカグモのような大型のクモも、普通の殺虫剤はまったく効きません。
アシダカグモは元々タランチュラの仲間で、砂漠のような暑い地域に住む蜘蛛。
そのため、このような冷却スプレーはすごくよく効くようです。
殺さないまでも、凍らせて動きが鈍くなったところをホウキで、外に追い出す。という使い方がいいかも。
瞬間凍殺ジェット 這う虫用
今回紹介した冷却スプレーの中でも大本命、瞬間凍殺ジェット 這う虫用。
1番目に紹介したフマキラーから発売されていますが、こちらはマイナス85度と表記されています。
回収騒ぎになったバルサンの氷殺ジェットや、冷却スプレーは基本的に引火性の高いガスを使っていて、なおかつ、空気より重い気体なので、大量に使うと床付近に溜まってしまうらしい。
そこでもっと揮発性が高いガスで一気に冷やし、少量吹き付けるだけで駆除できる用に開発されたのが、この製品らしい。
一応引火性は高いので、火気厳禁です。
こちらは一気にマイナス35度まで下がりました。
実際にこの製品でゴキブリなどを退治したことがありますが、ものすごい効果があります。
たいていの小動物は凍って死にます。ただ、風圧もそれなりに強いので、ガスの勢いで害虫も吹き飛んでしまうこともあり、扱いには注意が必要。
また、人体に噴射すると、火傷のような症状になるので注意。
450mlと今回紹介した製品の中で最も容量が多く、価格は1,000円弱なので効果も高いし、コストも変わらないので最もお勧め。
最も温度が下がったせいか、空気中の水分が凍り、片栗粉のような粉が大量に発生します。
すぐに溶けてなくなりますが、ほんとに片栗粉のよう。
氷殺ジェット 這う虫用
大やけどをおった事故が発生し、回収・生産中止になった元祖、バルサンの氷殺ジェット 這う虫用。
残念ながら今では売られていませんが、ブームの火付け役となった製品。
回収騒ぎによって、さらにブームに拍車をかけました。
殺虫剤は殺虫成分が入っているため、小さい子供がいる家庭やペットが居る家庭、それから台所のように食材が近くにある場所では、なるべく使いたくはないのですが、そうした問題を解決するために殺虫成分が一切含まれていない、単に冷たいガスが噴出するだけ、というコンセプトがヒットし、私も即飛びついて購入しました。ただ、1匹のゴキブリを退治するのに、5分の1ぐらいのガスを消費してしまい、ランニングコストはおどろくほど高いのが玉に瑕。
たしかこれは、2本目でとっておいたものだと思います。
スプレーした感じは、一番最初に紹介したゴキブリ凍止ジェットにそっくり。
マイナス13度まで下がりました。
このへんもゴキブリ凍止ジェットと瓜二つ。
980円と価格は高い部類です。
アイスノン
例外として、ほてった体を冷やすアイスノン 氷結アイススプレーも調べてみました。
こちらも泡状の液体が噴出されました。
泡にはメンソールも含まれているようで、冷えると言うよりは冷たく感じる。といったほうが正しいかも。
容量は133g。価格は600円ほど。
実際に私も使ってみましたが、直接肌に噴射するのではなく、タオルに吹きつけてから使用します。
ただ、すぐに暖かくなってしまうので、効果の程は・・・!?
結局1回しか使わず、そのまま放置でした。
正しい使い方
気化しやすくするため、ガスの勢いが結構でかいです。
そのため、直接ゴキブリに吹きつけようとすると・・・
(写真のゴキブリはゴムで出来た偽物です)
このようにゴキブリや害虫自体が風圧で吹き飛んでしまいます。
さらにゴキブリは、おしりの部分に生えた2本の風圧感知用の触角のようなものがあり、少しの風でも敏感にキャッチして逃げられてしまいます。
そのため、このようにゴキブリから離れた位置に狙って噴出したら・・・
そのまま素早くゴキブリの真上に噴きつけるようにスプレーの口を動かし、風圧で抑えこむような感じで吹き付けます。
真上から吹き付けると、あっという間に冷気で動けなくなります。
もともと虫は冷気に弱いので、すぐに動けなくなります。
ただ、冷気だけで完全に退治しようとすると、大量に噴射させないといけないので、冷却スプレーで動きを遅くして、踏んづけるなり、叩くなりして息の根を止める使い方のほうが効果的かも。
動きが遅くなった程度であれば、暖かくなるとまた息を吹き返すので、その間に外に捨てるなりするといいと思います。
効果は?
もちろんちゃんとした使い方をすれば、バッチリ効きます。ただ、今回検証したように、製品によって随分温度の差が違うので、どうせ買うのであれば瞬間凍殺ジェット 這う虫用がベター。
はじめは遠くから噴射し、動きが止まったら至近距離(10センチぐらい)で噴射する、という方法ならほぼ100%退治することが可能です。
この状態になると、黒いゴキブリがほとんど白い粉で埋まった状態になるので、生きていてもそのまま新聞紙に乗せて、外に捨ててもOK。
私もゴキブリを見ると、飛び上がってしまうほど苦手ですが、白い粉まみれ(粉といっても水なのですぐに溶けてしまいますが)のゴキブリはそう怖くない。(笑)
それと、大型のクモやムカデ、ヤスデなどは一般の殺虫剤ではほとんど死なない(どころかなんの影響もない)ので、凍らせてダメージを与えるというやり方は効果的かもしれません。
比較
商品名 | 噴出温度 | 価格帯 |
---|---|---|
瞬間凍殺 ジェット 這う虫用 450ml |
-35C | 700~1000円 |
ゴキブリ 凍止 ジェット 250ml |
-20C | 800~1000円 |
ムカデ フマキラー 300ml |
6C | 500~600円 |
不快害虫 エアゾール 300ml |
14C | 1000円前後 |
ゴキブリや大型の虫対策として購入するのであれば、大容量でかつ噴出温度が低い、瞬間凍殺ジェットになるかと思います。
冷却スプレーで代用できる?
虫を凍らせる殺虫剤は、数回使うと無くなってしまう割には価格が高いです。私の経験上、ゴキブリであれば4~5匹分使うと無くなってしまう感じ。
そこで500円ぐらいで売っている、冷却スプレーで代用できないでしょうか?
薬局で売っている「瞬間冷却」という火照った体を冷やす冷却スプレーがどれくらい温度が下がるか確認してみました。
「瞬間凍殺」ほどではありませんが、そこそこ冷えることがわかりました。実際にゴキブリに使ってみましたが、効果抜群!価格も500円程度なので、たくさん使いたい人にはお勧め。
関連ページ
最終更新日 2020-08-15 20:16
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最終更新日 2020-08-15 20:16 / 投稿日:2013-08-02 | | |